そもそも初動負荷トレーニングって何?効果あるの?!
『奇跡のトレーニング 初動負荷理論が世界を変える』 小山 裕史氏 2004年1月初版
(管理人の読書日2015年2月)
まず管理人は初動負荷トレーニングを実体験した上で肯定派です。
ただ理論説明が小難しく、それを読むだけではピンとこないですし、イメージできないことから体験したことのない方はその効果を疑問視したり、アンチの人もいらっしゃいます。
特にネット上では「初動負荷トレーニング=イチロー選手」のように語られることも多く、イチローのパフォーマンスを見て、初動負荷トレーニングの効果や賛否について議論されている印象を受けます。
しかし、トレーニングの良し悪しを判断するには、その理論よりも実際に体験して自分の体で感じ、体の反応を見た方が間違いないです。
ということで今回は初動負荷トレーニングを実体験してきた上で
初動負荷トレーニング体験レポ
初動負荷VS筋トレ どちらが良いのか?
ジムに行かず自宅で初動負荷トレできるのか?
についてお伝えします。
初動負荷トレーニング体験レポ
管理人の初動負荷トレーニングジム体験レポ
初動負荷理論の定義は、
「反射の起こるポジションへの身体変化及び、それに伴う重心位置変化等を利用し、主働筋の「弛緩—伸張—短縮」の一連動作を促進させると共に、その拮抗筋ならびに拮抗的に作用する筋の共縮を防ぎながら行う運動」
と本書にもサイトにも書かれていますが、正直小難しいです。
本書の中には、
「テコンドー銅メダリストの岡本依子氏が初動負荷トレーニングを受けていたこと」
「体に負担をかけず怪我をしない蹴り方」
についても書かれており、当時テコンドーの黒帯になってまだ日も浅かった管理人はすごく興味を惹かれていました。
そこで、筋肉に精通したプロのトレーナーや整体師の友達に聞いてみるものの、実際に体験したことのある者はおらず、
「初動負荷の理論は何を言っているのかよく分からない」
という答えが返ってきます。
そんな時、本当にたまたまなのですが、管理人の友人から連絡があり、初動負荷トレーニングを体験できる機会が訪れます。
管理人の地元には当時『ワールドウィング指導提携契約施設』があり、そこでは既存会員が友達を招待して無料体験できるイベントを不定期で開催していたからです。
その友人は運動やトレーニングをするタイプでなかったので、2年近くそこに通っているという話を聞いた時には驚きました。
ただちょうど自分が求めていた絶好の機会でしたので、二つ返事で体験に行くことにしました。
それが本書を読んで3か月後の2015年5月のことでした。
体験当日、管理人は担当トレーナーにお願いして、通常は部位を指定して3つほどの専用マシンを使いトレーニングする所、そこに導入されていたマシン全てを体験させてもらいました。
初動負荷トレーニングを行うには開発者である小山 裕史氏が特許を取得している『B.M.L.T.カムマシン』という専用マシンを使います。
(画像は『おおすが整形外科さんサイト』よりお借りしました)
初動負荷トレーニング専用B.M.L.T.カムマシンの驚きの値段
ここで余談ですが、この初動負荷トレーニング専用のB.M.L.T.カムマシンの値段がいくらか想像つきますか?
管理人がこっそり担当インストラクターに聞いた所、
「1台100万円近くするものから200万円を超えるものまであり、全身をトレーニングする1セットをそろえると約1000万円はする」
とのことでした。
また
「イチロー選手がフロリダに投入した新型B.M.L.T.カムマシンは特殊ステンレス素材を使用し3台で約1000万円」
という記事もありましたので、初動負荷トレーニング用マシンはどれも高額であることが分かります。
初動負荷トレーニング初体験の感想
管理人が初動負荷トレーニングを体験した時の感想は以下の5つです。
1.筋肉への負荷が少なく、トレーニング後筋肉がパンパンに張る、凝るような感じがない
(画像はTBS番組『イチロー特集 「43歳の衰えぬ肉体」』より引用)
普通の筋トレではいかにターゲットとする筋肉への負荷が逃げないようにするかが重要ポイントです。
例えばダンベルやバーベルを上げ下げする時も、関節をロックさせなければ、筋肉には同じ重さの負荷が継続的にかかることになります。
いわゆる全体負荷トレーニングです。
それに対して、初動負荷トレーニングは文字通り、最初だけ筋肉に負荷がかかります。
イメージとしては大きな球を転がす時、台車を押す時、最初はグッと力を入れて押しますが、一度動き出すとそんなに力を入れなくても動き続けます。
つまり最初の動きだけ負荷がかかり、あとは慣性の法則が働いて楽になる運動です。
そのためトレーニングを終えた後、パンプアップして筋肥大する感触もなければ、硬く凝るようなこともないです。
通常筋トレした後、筋肉が強く収縮して硬くなっているので、ストレッチしようとすると窮屈で痛気持ちいい感じがするのですが、それがないのです。
ジムでの一般的なウエイトトレーニングと初動負荷トレーニングはまったくの別物であることが分かります。
2.やり終わった後の筋疲労がなく、関節が動かしやすくなっている
(画像はTBS番組『イチロー特集 「43歳の衰えぬ肉体」』より引用)
管理人はもともと筋持久力は低く、通常のウエイトトレーニングをした時には、セット数を重ねると回数が激減します。
1分のショートインターバルではほとんど回復しないですし、5分休んだとしても回数は減ります。
そんな管理人が初動負荷トレーニングのマシンを使った時には、通常回数を進めるごとに筋肉に溜まる疲労やダルさをほとんど感じないのです。
逆にほどよく血流がアップして、関節が動かしやすくなり、楽に動かせる可動域が広がります。
変な例えですが、通常のウエイトトレーニングをする前のウォーミングアップとしてもピッタリな感じです。
『TBSイチロー特集 「43歳の衰えぬ肉体」』の中で、
「(イチロー選手はベンチ裏に特別に設置してある初動負荷マシンで)試合中打席が遠い時にもやる」
と話していました。
もし初動負荷トレーニングを普通のウエイトトレーニングのようにイメージしている方なら
「えっ、そんな試合中にやったら疲れちゃうし、パフォーマンスが落ちるんじゃない?」
と疑問に思われるかもしれません。
しかし、実際に初動負荷トレーニングを体験すると、上記のイチローの話にも納得、共感できます。
3.急激な心拍数の上昇がなく、ハァハァと息が上がることがない
重いウエイトを持ち上げるウエイトトレーニングをすると心臓がドキドキして、心拍数が一気に上がり、汗が噴き出します。
しかし初動負荷トレーニングでは、ウォーミングアップ運動のように適度に心拍数が上がります。
また、疲れ切って息が上がることがないのです。
『TBSイチロー特集 「43歳の衰えぬ肉体」』の中では、その理由も解説されています。
(画像はTBS番組『イチロー特集 「43歳の衰えぬ肉体」』より引用)
イチロー選手自身は、
「酸素の供給量が凄い」
とコメントしていますが、初動負荷トレーニングをすると、上記画像のように血中ヘモグロビン濃度を高く維持するため疲れにくく、持久力をアップさせるのです。
つまり初動負荷トレーニングはやり終わった後疲れさせるトレーニングではなく、やり終わると疲れにくくなるというまさに試合前、競技前にすると良いトレーニングであると言えます。
なお、アスリートにとってこの持久力アップはまさに試合の結果を変える死活問題です。
実際、テニスのシャラポワ選手をはじめロシアの多数のアスリートが禁止薬物「メルドニウム」を使用してドーピング違反で処分を受けています。
「メルドニウム」は細胞への酸素の供給を向上させる効果があり、もともとはアフガニスタンへ派遣された旧ソ連の兵士が、持久力向上のために使用していたと言います。
(画像は日本のアマゾンよりお借りしました)
この「メルドニウム」はウイキペディアによると日本では厚生労働省の認可が降りていないようですが、検索してみると何故か日本のアマゾンで普通に販売されています。
トラブルが怖いのでリンクは貼りませんが、そんなドーピング違反の薬物「メルドニウム」に頼り処分を受けるよりも、天然、合法で同じように持久力をアップさせることのできる初動負荷トレーニングをした方が良いと思います。
4.精神的ストレスがかからず気持ち良くトレーニングできる
B.M.L.T.カムマシンによる初動負荷トレーニングは、最初だけわずかな手応えがありますが、その後はレールの上を滑るように器具が動くため、やっていて気持ち良いです。
そのため、高齢者、怪我のリハビリ目的の人も、ストレスホルモンであるコルチゾールを溜めることなく、気分良くトレーニングできます。
実際、管理人が体験したジムでは50代、60代の高齢者、特に女性の利用者が多かったです。
もちろん壮年の男性会員もいましたが、いわゆる一般的なウエイトトレーニングのジムにいるような筋骨隆々のムキムキマッチョは一人も見かけませんでした。
そこでは皆、ゆったりと和やかに自分のペースで楽しんでいる印象を受けました。
その光景を見た時、管理人は
「自分がシニアになったらこういうジムの方が良いな」
と思いました。
5.筋肉痛にならない
上記1~3で書いたように、初動負荷トレーニングは、筋肉を硬くせず、柔らかくし、血中の酸素濃度を上げます。
そのため血中の疲労物質、老廃物が滞ることなく流れ、また酸素や栄養も速やかに運ばれるためか、トレーニングの後筋肉痛になることがありませんでした。
ウエイトトレーニングで筋肉量アップのバルクアップトレーニングをしたことのある方なら共感していただけると思うのですが、
「筋肉痛がこないと自分のトレーニングが不十分であったと思え、物足りなく感じる」
感覚ってないでしょうか。
管理人自身は筋肉痛をトレーニング効果をはかる一つの目安のようにとらえています。
しかし格闘技、スポーツをメインにしており、その競技能力向上のため筋トレしている場合、正直筋肉痛はパフォーマンスを下げますし、邪魔以外の何物でもありません。
さらに筋肉痛、凝り、痛みがどこかにあると、全身の筋肉はつながっているため、他の部分に負担がきて傷めたり、怪我をしやすくなるので本当に注意が必要です。
そのため肉体改造、バルクアップを目的とせず、競技パフォーマンス向上を目的とするのであれば、筋肉を硬くし、筋肉痛が出るようなトレーニングよりも、筋肉を柔らかくし、怪我を防ぎ、筋肉痛もでない初動負荷トレーニングの方が合理的だと管理人は思いました。
2年以上通っている友人の初動負荷トレーニング体験談
管理人を体験イベントに招待してくれた友人T氏ですが、もともと運動は好きでも得意でもありませんでした。
実際、学生時代も、社会人になってからも運動やスポーツは一切していませんでした。
そんなT氏が初動負荷トレーニングのジムに通いだしたのは、長年のデスクワーク中心の仕事でひどい肩こりに悩まされていたのを解消したかったのが理由です。
そしてジムに入会してからは、週2~3回定期的に通い、いつの間にか2年以上経過しています。
運動嫌いのT氏がこんなに続いている理由の一つは、B.M.L.T.カムマシンを使うのに大きな筋力が要らず、楽に動かすことができ、気分良いからです。
やはり運動嫌いで、特に肉体改造の欲求もなく、肩こり解消、運動不足解消が目的の者にとっては、ストレスなく、楽にできる、というのは無理なく長期的に継続する上で大事な要素であることが分かります。
そして継続して2年以上通っている成果ですが、外見的な変化はあまりないものの、無事肩こりも解消され、精神的にも前向きになり良かったと本人は満足しています。
知人の自衛官の初動負荷トレーニング体験談
今度はもう一人の体験談をお伝えします。
管理人の武道つながりの知人に本職自衛官で空手をしているG氏がいます。
G氏はもともと体育会系で運動神経良く、体型も引き締まった筋肉質です。
そんなG氏ですが、ある時訓練で、股関節を傷めてしまいます。
根性もあって痛みにも強いG氏は、我慢してそのままずっと訓練や練習を続けていました。
しかしある日、とうとうあまりの痛みでベッドから立ち上げることもできなくなり、病院に行くとすぐに入院して手術が必要という状態でした。
手術は無事成功したのですが、問題はリハビリ期間の長さと運動神経の回復です。
担当医師の話では
「走ったり運動できるようになるまで半年以上かかる、またどれだけ運動パフォーマンスを取り戻せるかは分からない」
ということでした。
そこでG氏は入院中時間があったため、あらゆるリハビリやトレーニング法を調べたり、自衛隊の部隊にいる仲間や先輩の話を聞いたりして情報を集めました。
そして結論としてたどり着いたのが、初動負荷トレーニングでした。
実際G氏はリハビリ期間中、できる限り初動負荷トレーニングのジムに通いトレーニングしました。
すると担当医師も驚くほどのスピードで回復し、また心配されていた運動神経も元通り以上に回復しました。
現在では自衛隊部隊での訓練、普通のウエイトトレーニング、空手練習と股関節を大手術しているとは思えないほどです。
そんなG氏は
「初動負荷トレーニングなくして自分のここまでの回復はなかった」
と断言しています。
イチロー選手も証明する初動負荷トレーニングの驚異の治癒回復促進効果!
初動負荷トレーニングが怪我の回復スピードを早めることはイチロー選手も身をもって証明しています。
イチロー選手は、メジャー16年間で故障者リスト入りしたのは、2009年に一度だけ、しかも怪我ではなく胃潰瘍による体調不良と聞きます。
管理人はイチローの体の使い方が理にかなっているからだと思っていたのですが、実際にはそれだけではありませんでした。
いくら自分の体の使い方が上手くてもスポーツには相手がいて、ぶつかったり、接触して怪我をすることもあります。
こちらの『Sports graphic Number web』の記事を読みますと、
「(ブランドン・バーンズ外野手と激突した影響で痛め、完全復帰まで)全治2か月と言われた腰を、1日3時間の電気治療と5時間の初動負荷トレーニングで、なんと8日間の調整期間で練習に復帰できるまでに回復させた」
というから驚きです。
イチロー選手は初動負荷トレーニングを18年間継続しているそうですので、きっと43歳(2017年時点)という年齢からは考えられない回復力と修復能力を維持しているのではないかと思います。
初動負荷トレvs筋トレ どちらが良いのか?
よくこういった話題、議論を目にします。(まず補足ですが、ここでの筋トレはウエイトトレーニングを意味しています。)
もしかしたら、初動負荷トレーニングはジムのトレーニングマシーンと似た形状のものを使用しているので一般的な筋トレと比較されるのかもしれません。
ただ、実際に体験すると分かりますが、初動負荷トレーニングは従来の筋トレとはまったくの別物、無酸素運動と有酸素運動ぐらいの違いがあります。
そのためどちらが良いというのも目的によって変わります。
ということで、ここでは管理人の独断による見解を書きます。
見た目の肉体改造なら一般の筋トレ!
これは管理人の友人T氏、その他初動負荷トレーニングを継続している方々の体を見るとすぐに分かります。
初動負荷トレーニングでは、筋量アップ、筋肉サイズアップ、バルクアップは難しいと思います。
もちろん本来の器具の使い方と異なるやり方をすれば可能だと思いますが、それなら一般の筋トレをした方が良いです。
もし優先する目的が、厚い胸板、太く逞しい腕、広い背中、引き締まったウエスト、というモテる逆三角形ボディに肉体改造することであれば、初動負荷トレーニングではなく、間違いなく一般の筋トレを選択するべきです。
なお2か月という短期間で逆三角形のモテボディを作ることに興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
→女性を惹きつける肉体改造術「Attraction DELTA」の感想と評価【当ブログ限定特典付き】
怪我の回復、怪我防止、リハビリ目的なら初動負荷トレーニング
これは上述のT氏、G氏の体験談、イチロー選手の記事からもそう判断できます。
あと時折、整形外科医、整体師、理学療法士、ジムトレーナーが肩こり、腰痛、膝痛などの解消、予防に筋トレを勧める話を聞きます。
しかし、管理人自身の体験、そして管理人の友達である整体師、パーソナルトレーナーの話を聞いてもそれは大きな誤りであると言えます。
腰痛に腹筋、膝痛にスクワットなど一部の筋肉だけをバランスを欠いて鍛えるとかえって悪化します。
また筋トレで筋肉を硬く固めると怪我をしやすくなります。
誤ったストレッチで伸ばしすぎた体も怪我をしやすくなります。
もし現時点でどこかに痛みがあるのでしたら、筋トレやストレッチなどトレーニングする前に、腕の良い整体師や治療家の元へ行ってください。
整体については、こちらの記事も併せてごらんください。
→初めての筋トレ 最初にしておかないと後悔するある1つのこと
また自分のセルフケア、コンディショニングで治すのであれば、硬直し硬く固まった筋肉をまずはゆるめることを優先してください。
なお、管理人はセルフケア、コンディションニングもかなり研究し、自分の身体で検証しましたが、現時点で万人にお勧めできるメソッドが一つあります。
それは『操体法』です。
操体法はどんな症状に対しても、誰に対しても悪化リスクゼロで良い効果を期待できます。
管理人自身、今現在操体法の体操やセルフケアを続けています。
競技パフォーマンスの向上なら初動負荷トレーニングに軍配
以前、筋トレに目覚めて肉体改造を進めたダルビッシュ有選手と筋トレでパワーを上げることに否定的なイチロー選手の間で、筋トレ賛否の論争があったのを覚えていらっしゃる方もいると思います。
(画像は報道ステーション3000回記念番組よりお借りしました)
(画像はGET SPORTS番組よりお借りしました)
イチロー選手の
「トラとかライオンはウエイトトレーニングしない」
という有名な発言に対して
ダルビッシュ有選手は
「昔はウエイトトレーニングとか無かったじゃないですか?
だからライオンと、シマウマが競争になると、ライオンが生き残ったんです。でも今はどうなってるか?
シマウマたちがトレーニング始めて、トラとかライオンより強くなってるんです 。
だからライオンもトレーニングしないと、勝てないんです。日本の選手はいつまでも(トレーニングしない)シマウマなので、これから先どんどん食べられちゃう状況で、日本球界やばいよって思っているので、いつもウエイトトレーニングが大事だと言ってます。」
と答えています。
しかし2017年2月23日には、
(画像はインスタグラムよりお借りしました)
ダルビッシュ有選手はウエイトトレーニングだけでなく、初動負荷トレーニングマシーン3台を家に設置してトレーニングを開始しています。
さらに2017年3月31日には
「新しいマシーン2台追加しました!」
と投稿されていることから、試してみて効果を感じたからこそ高額マシンに追加投資したと推測できます。
この一連の流れを見ますと、イチロー選手とダルビッシュ有選手による、初動負荷トレーニングVSウエイトトレーニングの代理論争のように思えます。
またダルビッシュ有選手も初動負荷トレーニングの効果を体感し認めたような印象も受けます。
しかし、ここで見落としてはならないのはイチロー選手の肉体です。
(画像はTBS番組『イチロー特集 「43歳の衰えぬ肉体」』より引用)
身長180cmに体重79kg、体脂肪率も低いことが容易に想像できますから、その体重は筋肉で占められていることが分かります。
事実上記画像を見ても太ももとふくらはぎの筋肉がハンパないです。
イチロー選手は体操の内村航平氏と同じようにウエイトトレーニングをせず、競技の練習でナチュラルにここまでの筋肉をつけているのです。
この状態であればウエイトトレーニングで筋肉サイズを肥大させるより、初動負荷トレーニングで神経系を発達させ、その筋肉を連動させ使いこなすトレーニングをした方が競技パフォーマンスが上がると思います。
つまりイチロー選手はライオンの肉体を持つからこそ、自分に合ったトレーニング=初動負荷トレーニングをしているのです。
また、ダルビッシュ有選手もウエイトトレーニングで筋肉サイズをバルクアップ済です。
(画像はインスタグラムよりお借りしました)
そのため、初動負荷トレーニングで神経系を発達させ、筋肉の連動性向上、関節可動域拡大、持久力向上させたら競技パフォーマンスが上がること予測できます。
ということで管理人の競技パフォーマンス向上に向けたトレーニングに対する見解をまとめます。
イチロー選手や内村航平氏のように
【競技練習による筋肉量アップ+初動負荷トレーニング】が理想的
ただ、普通の人は競技の練習だけであそこまで見事な筋肉はつかないので、ダルビッシュ有選手のように
【ウエイトトレーニング+初動負荷トレーニング併用】が現実的
もしウエイトトレーニングか初動負荷トレーニングのどちらかだけを選択するのであれば、
多くの人は神経系を十分に発達させておらず自分の既にある筋肉をつかいこなせていないこと
ウエイトトレーニングをすると筋肉の一部だけが発達することでバランスを崩し競技パフォーマンスにつながっていない人が多いこと
から
初動負荷トレーニングを選択した方が競技パフォーマンス向上につながる
可能性が高いと判断しています。
ジムに行かず自宅で初動負荷トレできるのか?
もしかしたら読者の中には、初動負荷トレーニングに興味があり、体験したい、通いたいと思いながらも近くに専用マシンが設置された所がなく、なんとか自分で試せないかと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
本書の中では2つほど自宅でできるエクセサイズが紹介されていますが、脚注には、
「身体だけを使ったトレーニングは随意的(意識的)運動です。初動負荷マシントレーニングによる本来のトレーニング法は意識を極力持たない反射運動の繰り返しで神経と筋肉の機能・協調性を高めることに有効。随意運動では効果は異なります。」
と書かれています。
ここで、専用マシンを使わず自分で初動負荷トレーニングをできないかネット上を検索してみると
「膝をついた腕立て伏せ、立った状態で壁に腕立てが初動負荷トレーニングに近い」
と主張する方々がいます。
またYouTubeには
という動画をアップしている方もいます。
しかし、管理人の率直な意見としては、
どれも似て非なるもの
だと感じています。
そのため、もし自宅近くにワールドウィングジムやワールドウィング指導提携契約施設がない場合は、リハビリ施設を持つ整形外科クリニック、病院などを探してみるのも一つです。
実際、「初動負荷トレーニング+地域名」で検索するとワールドウィングの病院・医院 賛助会員施設リストには記載のないクリニックが見つかることがあります。
以上、今回は小山裕史氏の著書『奇跡のトレーニング 初動負荷理論が世界を変える』をトレーニングマニアとしてレビューしましたが、いかがでしたでしょうか。
初動負荷トレーニング体験レポ
初動負荷VS筋トレ どちらが良いのか?
ジムに行かず自宅で初動負荷トレできるのか?
という本書を読んだ方も、読んでいない方もどちらも気になるであろうテーマについて、実際に初動負荷トレーニングを体験した上で、見解を書かせていただきました。
もしかしたらここまで読んでくだった読者の中には、
「初動負荷トレーニングに肯定的なのに、なぜ実際に通わなかったんですか?」
と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、その理由をここに書きます。
当時管理人が初動負荷トレーニングジムに加入しなかった理由
1.通いづらい場所だった
2.営業時間が合わなかった
3.ワールドウィングジムではなく提携ジムであったため、担当トレーナーがマシンの使い方以外の初動負荷トレーニングに対する知識がなかった
しかし最近管理人の地元にも初動負荷トレーニング設置ジム、クリニックが増えたため、また別の所で体験し、加入を検討したいと考えています。
それでは読者の方ももし気になるとレーニング法やジムがありましたら、ネット情報や本だけで判断せず、是非ご自身の体で体験し判断していただくことをお勧めします。
この記事を読んでくださった方の運動パフォーマンスが上がり、生涯好きなスポーツ、武道を続けていただけることを心より願っております。
追伸
2015年2月初読時感想メモ
初動負荷は、イチロー選手が1台数百万円以上するそのトレーニングマシーンを全て揃えてシアトルに持って行きトレーニングしていることでも有名な理論です。
本書に出てくる
「短距離走の時の、ヨーイドンの構え自体が間違っており、そのフォームを抜本的にを変えたことにより、故障がなくなり、記録も更新した」
という話は興味深いです。
但し、この理論自体は、整体師や筋肉の専門家に言わせると、検証もされておらず、意味不明とのことです。
しかも強力なアンチの方もいらっしゃるようです。
→『アマチュアジャーナリスト永岡洋 Official Site 初動負荷理論は存在しません!』
私は地元で一度体験しており、
「これはお年寄りになっても続けられるし、悪くないのでは」
と思いましたが、そのジムは協力提携ジムで専門的なことを聞くことはできず、また場所や時間的問題もあり加入はしませんでした。
余談ですが、ある有名な元格闘家でゴールドジムトレーナーがリスペクトする在米日本人の専門家の方は、
「1950年以降の筋トレ理論の話は信じてはいけない」
と言っています。
その理由は、
「薬物などの登場で、理論もめちゃくちゃになってきたから」
とのことです。
それは、
「昔のボディービルダーがバク転もできるほど(の運動神経と肉体)だったのに、最近のボディービルダーは、炭水化物をカットして、プロテインで筋肉肥大させ、ゼイゼイ言っていることからも分かる」
とのことです。
なお、もしこういう多くのトレーナーが語らない裏側の真実について興味のある方はこちらの音声プログラムを聞いてください。
私はテコンドーを生涯続けたいなと考えているため、見た目の肉体改造とともに、柔軟性、瞬発性、持久性など実際の競技パフォーマンスを上げ、故障を防ぐトレーニング法について引き続き研究と検証を続けていきたいと思います。