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1日1食で20歳若返ったアンチエイジング医師
『「空腹」が人を健康にする』 南雲吉則氏 2012年1月初版
(管理人の読書日2012年7月)
驚異の若返りで有名な人と言えば、、、
「ゴゴゴゴゴゴ・・・」
そう、この御方!
管理人が大好きな漫画『JOJOの奇妙な冒険』シリーズの作者荒木飛呂彦氏です!
ネット上や2chではこんな顔年表まであります。
ただこの御方のアンチエイジング法は謎に包まれており、「波紋の呼吸法説」、「石仮面をかぶって吸血鬼化している説」などあります。
が、もう人間の限界を超えちゃってます(笑)
ということで人間の限界を超えず、改めて若返りで有名な方と言えば、冒頭の本の著者であり、アンチエイジング医師でもある南雲吉則氏がいます。
この本が出版された頃にはよくテレビにも出ていたと思います。
南雲医師のアンチエイジング法は見た目が若返るだけでなく、ダイエットにも効果があります。
上記画像の37歳の時には77キロ(身長は173cm)だったのが、45歳の頃には62キロまで減量し、リバウンドすることなくずっとキープしているそうです。
そして、
「そのアンチエイジング法とはいったい何?」
で
「なんで効果があるのか?」
について具体的に書かれているのが本書です。
南雲吉則医師のアンチエイジング、ダイエット法は1日1食
もともと医師としての仕事のストレスから暴飲暴食で激太りした南雲氏。
頻発する不整脈に悩まされ、
「このままでは血栓が脳にできる脳塞栓や肺にできる肺塞栓で死んでしまう!」
と恐怖を覚え、一念発起。
しかし、ジム通い、水泳など運動を頑張るものの逆に食欲が増し体重が増えてしまい、ダイエットもつらく続けられません。
そんな南雲氏の体重が一気に下がったのは「3食一汁一菜の食事法」の効果です。
ただ自分の食欲にムラがあり、夜は接待や付き合いもあることからたどりついたのが、現在も続けている「一日一食」と「一物全体」の食事法です。
「一物全体」は、魚なら「皮ごと骨ごと頭ごと」、野菜なら「葉ごと皮ごと根っこごと」と全てまるごと食べて完全栄養を摂取するという仏教やマクロビの考え方です。
「一日一食」は文字通り1日の中の食事の回数を1回にすることです。
そして「一日一食」は実践している芸能人も意外と多い食事法です。
一日一食の芸能人まとめ
ビート(北野)たけし氏(1947年生まれ 71歳)
「オイラは一日一食しか食べないよ。朝は野菜ジュースだけ」
朝に野菜ジュースを飲んでいるので正確には「固形物は一日一食」の食事法ですが、管理人も実践することがあります。
人間は好きな食べ物というと米や麺などの炭水化物、肉などのたんぱく質、揚げ物などの脂質が多くなり、逆にビタミン、ミネラル、酵素は不足しがち。
それは外食や接待での食事が多い人も同様です。
そのためこの「一日一食好きな固形物食事に一日一回の野菜ジュース」という食事法はバランスも良く健康的と言えます^^
なお野菜ジュースについてはこちらの記事が参考になります(^O^)/
→筋トレダイエット食事メニュー 良質な筋肉つける健康野菜ジュースレシピ
Gackt氏(1973年生まれ 44歳)
「僕は一日一食しか食べない。だから食べ物には、すごくこだわる」
Gackt氏の筋肉は超ストイックな自重トレで作られており、理想的な細マッチョのモテボディです。
Gackt氏の食事法はご飯や麺などの炭水化物を一切食べず、カレーもルーのみ、年1回の誕生日だけラーメンを食べる、など色々言われています。
少し前にメタルマッスルHMB(平成30年2月28日販売終了)のモデルとなり、自ら摂取していることからサプリは併用していると思われます。
実際の食事の内容や摂取しているサプリの詳細は不明ですが、インスタグラムの投稿やブログを読みますと、熱を出したり体調不良などもちょくちょくあるようですので食事法については健康や肉体パフォーマンスよりも己の信念を通すことを優先させている印象を受けます。
ただそんな所も含めてGackt氏の魅力ですし、管理人はGacktイズムな美学けっこう好きです^^
内村航平氏(1989年生まれ 29歳)
「1日1食しか食べないんですよ。基本、夜だけ」
内村航平氏は管理人が目指したい腕の筋肉の持ち主!
筋トレは一切せず、自重の体操競技だけで鍛えあげたナチュラル筋肉は美しすぎです^^
あと内村航平氏で興味深いのは、北京オリンピックの頃には
「超偏食で、食事は、ほとんどが米と肉で大嫌いな野菜は食べず。無類のお菓子好きでチョコレート菓子のブラックサンダーを40個も持ちこむ。大会期間中の朝食はバナナかチョコプリン、夕食はビッグマック。」
などと言われてましたが、リオデジャネイロ五輪に頃には、
「一日一食でお菓子の間食もせずコーヒーのみ」
と吉田沙保里氏に話していることです。
人間10代、20代なら体のエネルギーも多く、多少の偏食や不摂生でも大丈夫な人は多いです。
でも30歳を過ぎると、体の回復力、修復力も落ちるため、それまでの負の蓄積が何かの生活習慣病症状として現れたりします。
もしかしたら内村氏は体の感覚が敏感なので、自身の変化に気づき、一日一食の食事法を実践しているのかもしれません。
個人的にはその一日一食の食事内容の詳細を是非知りたいところです^^
京本政樹氏(1959年生まれ59歳)
「一日一食で若い頃の体型を維持。いつでも美剣士ができる」
イケメン時代劇俳優としてもブレイクしてますが、50代でもヴィジュアル系のスタイルをできるのはさすがだと思います^^
辰吉丈一郎氏(1970年生まれ 47歳)
「朝走って夕方はトレーニング。食事は一日一食だが、何の不満もない。」
40歳を過ぎても現役にこだわる熱いボクサー。
ボクサーに減量は付き物で、それが試合前の減量期間であれば一日一食でも驚きません。
しかし1年中ずっととなると話は別です。
特に練習量が多いことでも知られる辰吉氏がどうやってそのエネルギーを確保しているのか気になります。
もしかしたらその精神力と肉体は人間の限界を超え、粗食、3時間睡眠で険しい比叡山の山の中を何十キロも走り回るという千日回峰行を成し遂げる大阿闍梨のレベルに達しているのかもしれません。
千葉真一氏(1939年生まれ 79歳)
「一つは 『食べないこと』。正確には一日一食しか食べない。体を飢餓状態にすることで、抗老化遺伝子と言われるサーチュイン遺伝子を目覚めさせ、体の細胞を若返らせているんです。」
大学生の頃はオリンピックを目指せるほどの器械体操スキル、その後極真空手の黒帯を実力で手にしているリアルのアクションスター。
上記のコメントからも南雲吉則医師が日本に広めた若返りサーチュイン遺伝子の説を信じていると思われます。
管理人も当時は空腹を感じると
「あっ、今サーチュイン遺伝子が活性化し若返っているんだ」
と前向きに考えていたのを思い出します(笑)
ということで次はサーチュイン遺伝子の活性化で若返るというのは本当かについての管理人の見解を書きます。
長寿遺伝子サーチュインで若返るのは本当か?
そもそもサーチュイン遺伝子って何?という方もいらっしゃると思うので少し説明します。
この本の中ではサーチュイン遺伝子は
「空腹状態におかれたとき、人間の体内に存在している50兆の細胞の中にある遺伝子をすべてスキャンして、壊れたり傷ついたりしている遺伝子を修復してくれる。老化や病気をくい止める働きにも関与している」
と解説されています。
また
「アカゲザル、ラット、モルモットなど、あらゆる動物実験において、エサの量を40%カットしたときが一番延命効果が高く、なんと寿命が1.4~1.6倍も延びた」
とも書かれています。
そのソースについては記載がなかったのですが、ネット検索するととても分かりやすい画像が出てきます。
(画像は2009年発表『Caloric restriction delays disease onset and mortality in rhesus monkeys』の論文より引用)
これは平均寿命である27.6歳(最長40歳)のアカゲザル2匹を比較したものです。
右側ABは顔が老化し、体の毛も抜けているのが分かります。
ところが左側CDは顔も若く、毛もフサフサです。
とても同じ年齢とは思えません。
この違いを生んだのが30%のカロリー制限です。
実験期間は20年と長いですが、長期のカロリー制限は見てすぐわかるほど老化を遅らせたのです。
しかし、ここで1つ疑問が出ます。
「果たしてこの動物実験の結果は人間にも当てはまるのか?」
『NHKスペシャル あなたの寿命は延ばせる ~発見!長寿遺伝子~』では金沢医科大学病院の研究グループの人間を対象とした実験の結果を放送しています。
それは、
「30代~60代の人間を対象に25%のカロリー制限を7週間続けた所、サーチュイン遺伝子が1・4~4・6倍に増加し、7週間後では4・2~10倍も増加した。」
というものです。
しかし、人間を対象に長期間のカロリー制限を実施した実験の論文は存在しません。
そのため、人間がカロリー制限すれば確実に老化を遅らせ寿命が延びるかの断定はできないのです。
また、そもそも
「サーチュイン遺伝子の活性化が本当に老化を遅らせているのか?」
「サーチュイン遺伝子がどれだけ老化を遅らせる力があるのか?」
についても完全に解明されているわけではありません。
そのため南雲医師は本書の中で、サーチュイン遺伝子以外で若返り作用を持つものとして、
「成長ホルモン」
筋トレしている人にはおなじみのホルモン。
昔はセレブは1本何十万円もする成長ホルモン注射をしていました。
ただ成長ホルモン注射は正常細胞だけでなくガン細胞も成長させるためガンを発症する人が増え問題になりました。
「グレリン」
空腹時に胃粘膜から分泌され、脳の視床下部に働き食欲、下垂体に働き成長ホルモンを分泌させる
「アディポネクチン」
脂肪細胞から分泌され、血管を掃除して若返らせる奇跡のホルモン
についても書いています。
また本書には出てきませんが、唾液に含まれる「パロチン」も若返りホルモンと言われています。
一日一食は本当に健康的で体に良いのか?!
それでは最後、
「一日一食が本当に健康的で体に良いのか?」
について管理人の見解を書きます。
一日一食のメリット
まず一日一食のそもそものメリットは消化に使われるエネルギーを、細胞修復や免疫細胞に回し健康増進させることです。
アントニオ猪木氏が昔、長年の過酷なトレーニングと激戦により医者もさじを投げるほどダメージが蓄積された肉体を回復させたファスティング(断食)やスロージューサーによる野菜ジュースも消化器の負担を抑え、消化エネルギーを自然治癒力に向けることで効果を出しています。
一日一食のデメリット
栄養不足
これはデメリットというよりリスクですが、単純に栄養不足に陥る危険性があります。
食事内容を記録しメニューを考え、自分に合った食材を選び、必要に応じてサプリを併用するスキルが必要です。
または上述のビート(北野)たけし氏のように、「野菜ジュース+一日一食」のようにすれば、不足しがちなビタミン、酵素を摂取することができるのでお勧めです。
あとは「ヒマラヤ岩塩」と「水溶性ケイ素」などで微量元素、ミネラルを補えばさらに健康に良いです。
低血糖によるストレスホルモン増加
「空腹(食欲)は最高のスパイス」という格言があるように、適度な空腹は食事を美味しく感じさせます。
それに適度に消化器官を休めてあげるのも健康的です。
また若返りホルモンパロチンを含む唾液の分泌を促しアンチエイジングにも良いと思います。
しかし「空腹」と「飢餓」は別物です!
本書で南雲医師は
「飢えと寒さが生命力を高め若返る」
としていますが、管理人はその考え方は長期的には危険だと思っています。
短期的な刺激としてたまにならまだしも、長期的、断続的な飢えと寒さは細胞のエネルギーを奪い、疲弊させ、若返りどころか死を早めます。
崎谷博征医師も
「人体にとって最大のストレスは飢餓」
と言っています。
飢餓によって低血糖になるとストレスホルモンであるコルチゾールも大量に分泌されます。
コルチゾールは、
「過剰なストレスにより多量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させる」
と『ウィキペディア』にも書いてあるぐらいです。
リポリシスのリスク
リポリシスとは脂肪分解のことで、一見すると良いことのように思えますが、急激な脂肪分解は実は危険で病気の原因になると言います。
このことについてはまた改めて記事にしたいと思いますが、気になる方は崎谷博征医師の著書
を読むことをお勧めします。
一日一食をやらない方が良い人
子供、妊婦さん
子供や妊婦さんはやらない方が良いというよりやってはダメです。
デメリットでも書きましたが、栄養不足のリスクが高すぎです。
B型の人
これは科学的根拠はないですが、
「B型の人は空腹に弱く低血糖になりやすい」
と『血液型健康ダイエット』の著者ダダモ博士も言っています。
管理人自身B型ですが、このことを体感しています。
段階的に食事を減らす断食法なら大丈夫でしたが、そうではなく仕事の都合で食事を食べられなかったりした時は、頭痛、めまい、集中力の低下など低血糖の症状が出ることが多かったです。
適度な空腹は頭もハッキリし、集中力が増すので良いですが、一定レベルを超えた空腹感をそのままにし、食欲がなくなった状態の時は、自分のパフォーマンスが落ちるのをハッキリと感じました。
ハードな肉体労働の人、格闘家
上述の辰吉丈一郎氏は本当に例外的だと思います。
千日回峰行を成し遂げた大阿闍梨の塩沼亮潤氏は修行中、栄養不足により
「爪はボロボロ、血尿は出る。」
と言っています。
もしそれでも試されるのでしたら、無理をせず、スロージューサーによる野菜ジュース、プロテイン、サプリを併用するなど自分の体の状態をみながら継続するようにしてくださいね。
ジャック・ハンマー氏
すみません。冗談です^^;
一日一食がお勧めな人
試してみて体に合う方
「何を当たり前なことを言ってるんですか?(笑)」
というツッコミが聞こえてきそうですが、もし自分が良いと思ったのであれば試してみて、自分の体の声を聴くのが一番です。
ただし、食や食事法はその人の信仰に強く結びついていることが多く、自分の体の声よりも信念・ポリシーを優先させている人が多いです。
特に菜食主義者(ベジタリアン)やマクロビ実践者にはその傾向が強いように見受けられます。
どんな食事法も最初の3ヶ月ぐらいは調子が良くなったり、良い反応が出ることが多いですが、もし半年以上継続するのであれば、自分の体の声を聴き、自分の体の状態をフラットな視線でよく見て判断していただくことをお勧めします。
40歳以降で生活習慣病のある方
これは腸内細菌の権威藤田紘一郎医師が書いていることですが、
「人間は40歳を境に体内でエネルギー生み出す経路が変わる」
そうです。
簡単に説明しますと、
「40歳までは解糖系エンジン、つまり糖質を分解してエネルギーにしているのが、40歳を過ぎるとミトコンドリア系エンジンに変わるため、今までと同じ食事を続けると食べたものがエネルギーとして使われるよりも脂肪として蓄積され太る」
ようです。
つまり、今までと同じ食事、運動量でも40歳を過ぎるとお腹が出てくるのもこのエネルギー代謝経路の変換が理由ということです。
また興味深いのが、藤田医師は
「男の厄年が43歳なのも、このエネルギー代謝経路が変換が起こり今までと同じ食事やライフスタイルだと生活習慣病になることを警告するため」
という説を唱えていることです。
その科学的根拠は不明ですが、世の中周りを見渡すとまんざら外れているとも思えません。
ということで、40歳を過ぎて何らかの生活習慣病を抱えている人、特にメタボの方は一度この一日一食を試してみる価値が十分あると思います。
なおその場合、スロージューサーによる野菜ジュースとともに、最大、最高のデトックス法であるコーヒーエネマも併用することをお勧めします。
腸内洗浄コーヒーエネマについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
以上、今回は南雲吉則医師の著書『「空腹」が人を健康にする』 をかなりマニアックにレビューしてみましたがいかがでしたでしょうか。
ただの書評というより、著書のテーマである「一日一食の若返り効果」を健康マニア視線で少し掘り下げてみました。
管理人の家の本棚には健康関連、トレーニング関連の書籍が数百冊ありますので、今後はもう少しライトな感じてブックレビュー記事をアップしていきたいと思います。
それでは最後まで読んでくださりありがとうございます。
読者様の長寿と若返りを願っております。